ドクター・スタッフコラム
美容整形と美容外科の違いとは?意味・診療内容・形成外科との違いまで医師が解説
「美容整形」と「美容外科」は、日常会話ではほぼ同じ意味で使われますが、厳密には同じ言葉ではありません。美容整形は見た目を整える美容医療を指す一般的な呼び方で、美容外科は医療機関で用いられる診療科名です。
二重整形、鼻整形、輪郭形成、脂肪吸引、豊胸などの外科手術を中心に扱うのが美容外科ですが、実際の美容医療では注入治療や美容皮膚科治療まで含めて総合的に診療する医療機関もあります。
美容整形とは?美容外科との違いを最初に整理
美容整形とは一般的に使われる呼び方
美容整形とは、顔や身体の見た目を本人の希望に近づける美容医療を広く表す一般的な言葉です。二重整形、鼻整形、輪郭形成、脂肪吸引、豊胸、ヒアルロン酸注入などが「美容整形」と呼ばれます。
つまり、美容整形は特定の医学的診療科ではなく、美容目的の医療を患者様側から分かりやすく表した呼び方です。
一方、厚生労働省が示す広告可能な診療科名には「美容外科」が含まれています。美容外科は、医療機関が診療内容を示す際に用いる名称の一つです。
美容外科とは医学的にどのような分野?
美容外科は、身体の形態や外見について、患者様本人の希望に基づいて改善を目指す医療分野です。二重、鼻、輪郭、たるみ、バスト、脂肪など、見た目に関する悩みに対して外科的手術や医療施術を行います。
また、「美容外科=切る手術だけ」ではなく、医療機関によって注入治療、糸リフト、レーザー、RF、高密度焦点式超音波(HIFU)なども組み合わせます。
「美容整形」と「整形外科」はまったく別
特に誤解されやすいのが「美容整形」と「整形外科」です。整形外科は、骨、関節、筋肉、腱、神経など運動器の病気やけがを診療する分野です。美容整形とは目的も対象も異なります。
「整形」という言葉が共通していても、美容整形と整形外科は別の医療領域です。
なぜ「美容整形」と「美容外科」が混同されるのか
一般用語と診療科名が混在しているため
美容整形と美容外科が混同される最大の理由は、患者様が使う言葉と医療機関が使う言葉が異なるためです。検索では「二重整形」「鼻整形」「整形したい」といった表現が広く使われています。一方、医療機関側では「美容外科」「美容皮膚科」「形成外科」などの診療分野に分けて考えます。
患者様が使う「美容整形」、医療機関が使う「美容外科・美容皮膚科・形成外科」、具体的な施術名が同時に使われるため、意味が混ざりやすくなります。
美容医療が手術だけではなくなっているため
現在の美容医療には、手術だけでなく注入治療、糸リフト、レーザー、IPL、RF、医療脱毛、肌治療などがあります。厚生労働省も、二重手術や脂肪吸引だけでなく、しみ治療、HIFU、ケミカルピーリングなどを美容医療として挙げています。
そのため「美容整形」が美容医療全般を指す言葉として使われることもあります。
医療機関ごとに扱う施術範囲が異なるため
「美容外科」と標榜していても、実際に扱う治療は医療機関ごとに異なります。したがって、名称だけで判断するのではなく、次の点まで確認することが大切です。
- 希望する施術を扱っているか
- 医師に十分な経験があるか
- リスクや代替治療の説明があるか
- 施術後の診察体制が整っているか
美容外科では何をする?代表的な施術と目的
目元・鼻・輪郭・ボディまで幅広く扱う
美容外科の代表的な施術には、二重埋没法・全切開法、眼瞼下垂、目頭切開、鼻尖形成、鼻翼縮小、輪郭形成・骨切り、脂肪吸引、豊胸、フェイスリフトなどがあります。さらに、ヒアルロン酸注入、ボトックス注射、糸リフトなどの低侵襲治療を扱う医療機関もあります。
重要なのは、同じ「目を大きくしたい」「小顔にしたい」という希望でも、原因によって適した治療が異なることです。骨格、皮膚、脂肪、筋肉、加齢変化を診察して施術を選ぶ必要があります。
美容整形・美容外科で起こり得る症状、ダウンタイム、リスク
リスクは「美容整形か美容外科か」ではなく施術内容で決まる
美容整形と美容外科は言葉の違いであり、リスクの大きさを決めるものではありません。リスクは、切開の有無、操作する組織の深さ、手術範囲、麻酔方法、使用する薬剤や医療機器、体質や既往歴によって変わります。
厚生労働省も、美容医療を受ける前に、効果だけでなくリスクや副作用、他の選択肢について理解した上で施術を選ぶことを求めています。
外科手術で起こり得る主な症状
二重切開、鼻整形、脂肪吸引、豊胸、輪郭形成などでは、次のような症状が起こります。
- 腫れ
- 内出血
- 痛み
- むくみ
- 傷跡
- 感覚の変化
- 左右差
- 一時的なつっぱり感
また、感染、血腫、創部の治癒遅延、神経障害などの合併症にも注意が必要です。骨切り、広範囲の脂肪吸引、豊胸などは身体への負担が大きく、術後の経過確認が重要です。
注入・機器治療にもリスクはある
「切らない施術なら安全」とは言い切れません。ヒアルロン酸注入では腫れ、内出血、左右差、しこりなどがあり、血管内への誤注入は重篤な合併症につながります。レーザーや光治療でも、赤み、ヒリつき、かさぶた、色素沈着、熱傷などが起こり得ます。
美容医療は、手術・注入・機器治療のいずれも医療行為です。効果だけで施術を選ばず、リスクとアフターケアまで確認する必要があります。厚生労働省も、無資格者による施術や説明不足、アフターケアに対応しない事例について注意喚起しています。
ダウンタイム中に必要なアフターケア
施術によって内容は異なりますが、基本的なポイントは以下です。
- 処方薬を指示どおり使用する
- 傷口を必要以上に触らない
- 飲酒や激しい運動など、腫れを強める行動を控える
- 洗顔、入浴、メイク、圧迫固定などの指示を守る
- 強い痛みや急激な腫れなどがあれば早めに連絡する
特に、急激に強くなる痛み、急速な腫れ、出血が止まりにくい、高熱、膿、視力や見え方の異常などがある場合は、自己判断で様子を見ず医療機関へ連絡してください。
美容整形・美容外科・形成外科・美容皮膚科の違い
| 項目 | 美容整形 | 美容外科 | 形成外科 |
|---|---|---|---|
| 意味 | 美容医療を指す一般的な呼び方 | 美容目的の治療を扱う診療分野・診療科名 | 形態や機能の異常を治療し、QOL向上を目指す診療科 |
| 主な目的 | 見た目を整えること | 見た目の改善 | 先天異常、外傷、腫瘍切除後、傷跡、機能・形態の改善など |
| 主な治療 | 手術、注入、機器治療など広く使われる | 二重、鼻、輪郭、脂肪吸引、豊胸など | 外傷、顔面骨折、再建、瘢痕、眼瞼下垂など |
| 保険 | 美容目的は原則自由診療 | 美容目的は原則自由診療 | 疾患や機能障害への治療は保険診療になることがある |
| 言葉の位置づけ | 一般名称 | 医療機関で用いられる診療科名 | 医療機関で用いられる診療科名 |
形成外科は、身体表面の形態や機能の異常を修復し、生活の質を高めることを目的とする診療科です。外傷、やけど、先天異常、腫瘍切除後の再建、傷跡、眼瞼下垂など幅広い領域を扱います。
美容外科は形成外科の知識や技術と深く関係しますが、主な目的が「本人が希望する外見の改善」である点が大きな違いです。
美容外科と美容皮膚科の違い
| 項目 | 美容外科 | 美容皮膚科 | 形成外科 |
|---|---|---|---|
| 主な対象 | 目、鼻、輪郭、脂肪、バスト、たるみなど | しみ、毛穴、ニキビ跡、肌質、脱毛など | 外傷、変形、再建、傷跡、機能障害など |
| 外科手術 | 多い | 原則少ない | 症例に応じて行う |
| 注入治療 | 行う | 行う | 医療機関による |
| レーザー・光治療 | 医療機関による | 主力治療の一つ | 疾患・施設による |
| 自由診療 | 美容目的は原則自由診療 | 美容目的は原則自由診療 | 保険診療と自由診療の両方がある |
美容外科と美容皮膚科は完全には分けられません。糸リフト、ヒアルロン酸、ボトックスなどは双方で扱われます。
美容外科で施術を受けるメリット・デメリット
メリット
- 医師の診察に基づいて施術を選べる
- 手術から注入治療まで複数の方法を比較できる
- セルフケアでは改善しにくい形態の悩みに対応できる
- 施術後の経過を医療機関で確認できる
美容外科の大きなメリットは、悩みの原因を医師が診察し、原因に合った治療を選べることです。
デメリット
- 自由診療では費用は自己負担になる
- 腫れや内出血などのダウンタイムがある
- 感染、左右差、傷跡などの合併症リスクがある
- 施術によっては元に戻すことが難しい
- 希望するイメージと医学的に可能な仕上がりが一致しないことがある
美容医療は結果を保証できる医療ではありません。厚生労働省も、期待した結果の達成を約束できないと注意喚起しています。
美容外科を選ぶときに確認したいポイント
美容外科は、料金やSNSの症例写真だけで判断せず、次の点を確認してください。
- 希望する施術の症例経験が十分にある
- 医師が直接診察し、適応を判断している
- メリットだけでなくリスクも説明している
- 他の治療方法も提示している
- 必要のない施術を追加しない
- 料金体系が明確
- 施術後の診察や連絡体制が整っている
- 万一の合併症に対応できる体制がある
厚生労働省は、患者様の希望を踏まえて個別に治療方法を選択・提案する行為を医学的判断として整理しています。治療方針は医師の診察を基に決めることが重要です。
恵聖会クリニックが美容外科で選ばれる理由とポリシー
2000年開院、2026年で27年目の美容医療実績
恵聖会クリニックは2000年に開院し、2026年で開院27年目を迎えました。長い診療の歴史の中で蓄積された症例経験を、適応判断、施術方法の選択、リスク管理、術後経過の見極めに生かしています。
開院から間もなく30年を迎える美容外科として、経験の蓄積を現在の診療に還元しています。
豊富な症例数と幅広い施術
恵聖会クリニックでは、目元、輪郭、脂肪吸引、バスト、ワキガ・多汗症、泌尿器形成など、幅広い美容外科治療を行っています。2025年12月31日時点の主な症例実績は以下です。
- 二重埋没法:143,016件
- 眼瞼下垂:14,764件
- 脂肪吸引:4,760件
- ワキガ・多汗症:7,596件
- 泌尿器形成:9,566件
- 豊胸:3,530件
症例数だけでなく、蓄積した経験を診察と施術方法の選択に還元することを重視しています。
恵聖会クリニックの症例写真を見る患者様お一人おひとりに合った施術を提案
美容外科では「人気の施術=自分に合う施術」ではありません。恵聖会クリニックでは、骨格、皮膚、脂肪、筋肉、左右差、希望する変化、許容できるダウンタイムまで確認し、一人ひとりに合う方法を提案します。
外科手術が適していないと判断した場合は、別の方法を提案します。
ホームページにない高額施術へのアップセルをしない
恵聖会クリニックでは、「高度な美容医療を適正価格でご提供する」という考えを大切にしています。ホームページに記載のない高額な施術料金を診察時に突然提示し、上位プランへ誘導するようなアップセルは行いません。
必要性と料金を理解し、納得した上で選択していただくことを重視しています。
無理・強引な勧誘をしない
美容医療は緊急性のある治療ではないため、患者様自身が納得した上で受けることが重要です。その場で決断を迫らず、施術内容、リスク、ダウンタイム、費用を理解した上で判断していただきます。
ご紹介による来院が多い
恵聖会クリニックには、ご家族、ご友人、知人からの紹介をきっかけに来院される方も多くいらっしゃいます。「すべての方にご満足いただける施術を提供し続ける」という姿勢が、紹介という形につながることを大切にしています。
徹底したアフターフォロー
美容外科は施術を受けた時点で終わりではありません。恵聖会クリニックでは必要な経過確認や相談対応を行い、ダウンタイム中のアフターフォローを重視しています。
「大阪公立大学 大学院医学研究科 形成外科学教室」と連携
恵聖会クリニックは、「大阪公立大学 大学院医学研究科 形成外科学教室」と連携し、保険診療における形成外科治療領域の技術的向上を目指しています。美容外科には、解剖、組織の扱い、創傷治癒、傷跡への配慮など形成外科の知識と技術が深く関係します。
美容と形成外科の両面を重視して診療しています。
美容整形と美容外科に関するよくある質問
Q1. 美容整形と美容外科は同じですか?
日常会話ではほぼ同じ意味で使われますが、厳密には異なります。美容整形は一般的な呼び方、美容外科は医療機関で用いられる診療科名です。
Q2. 美容整形は医療行為ですか?
医療機関で行う二重手術、脂肪吸引、注入治療、医療機器による美容施術などは医療行為です。美容目的でも、適切な診察と説明が必要です。
Q3. 美容外科はすべて手術ですか?
いいえ。美容外科では手術が中心になりますが、医療機関によってヒアルロン酸、ボトックス、糸リフト、レーザーなどの切らない治療も行います。
Q4. 美容外科と形成外科はどちらに行けばいいですか?
美容目的で見た目を変えたい場合は美容外科、けが、先天異常、傷跡、腫瘍切除後の再建などは形成外科が基本です。眼瞼下垂など、両方の領域にまたがる治療もあります。
Q5. 美容外科と美容皮膚科の違いは何ですか?
美容外科は二重、鼻、輪郭、脂肪吸引、豊胸など形態を変える治療が中心です。美容皮膚科はしみ、毛穴、ニキビ跡、肌質改善など、皮膚への治療を中心に行います。
Q6. 美容整形は健康保険が使えますか?
純粋に美容目的で行う治療は原則として自由診療です。一方、機能障害や疾患の治療として医学的要件を満たす場合は、保険診療の対象になる治療があります。
Q7. 美容外科は何歳から受けられますか?
施術ごとに適応が異なります。未成年では成長段階や保護者の同意なども考慮する必要があるため、年齢だけでなく医師の診察によって判断します。
Q8. 「切らない美容整形」ならダウンタイムはありませんか?
いいえ。注入治療や機器治療でも、赤み、腫れ、内出血、むくみなどが起こります。切らない治療でもダウンタイムと副作用の確認は必要です。
Q9. 美容外科を選ぶとき最も重要なことは何ですか?
希望する施術の経験だけでなく、医師が適応を正しく判断し、リスク、代替治療、術後対応まで説明しているかを確認することが重要です。
まとめ|美容整形は一般名称、美容外科は医療としての診療分野
美容整形と美容外科は日常的には同じ意味で使われますが、整理すると、美容整形は美容目的の医療を広く指す一般的な呼び方、美容外科は美容を目的とした治療を行う診療分野・診療科名です。
また、美容外科と形成外科、美容皮膚科は完全に独立しているわけではなく、治療内容によって重なる領域があります。大切なのは名称だけで選ぶことではなく、自分の悩みの原因を診察し、適した治療を提案できる医師・医療機関を選ぶことです。
監修医情報
- 医師名
- 上尾 弘美
- 略歴
-
2016年 愛媛大学医学部卒業
卒業後、大学病院、関連市民病院にて小児科医として従事
2023年 某美容外科クリニック勤務を経て、恵聖会クリニック入職
- 所属学会
- ボトックスVST認定医
ジュビダームVST認定医
- 資格
- 小児科専門医
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