ドクター・スタッフコラム
ジョールファットが増えるとどうなる?口元のもたつき・マリオネットラインとの関係を医師が解説
ジョールファットが増えたり下垂したりすると、口角横からフェイスラインにかけてのもたつきが強くなり、マリオネットラインや輪郭のぼやけが目立ちやすくなります。いわゆる「ブルドッグ顔」に見える原因の一つです。
ただし、ジョール部分が膨らんで見える原因は脂肪量だけではありません。加齢による脂肪の位置変化、皮膚のたるみ、骨格、周囲の組織を支える構造の変化が複合して起こります。そのため、「ジョールファットを減らせば必ず改善する」とは限らず、原因を診断したうえで治療方法を選ぶことが重要です。
ジョールファットとは?どこにある脂肪なのか
ジョールファットは口角横からフェイスラインにある脂肪
ジョールファットとは、美容医療では主に口角の外側から下方、下顎のフェイスライン付近に存在する浅い脂肪組織を指します。
顔の脂肪は一つの大きな塊ではなく、複数の「脂肪区画」に分かれています。解剖学的研究でも、ジョールの脂肪は下顎付近に存在する独立した皮下脂肪区画として確認されており、バッカルファットとは別の構造です。
ジョールファットが目立つと、次のような見た目につながります。
- 口角横がぽこっと膨らむ
- 下顔面が重く見える
- フェイスラインが四角く見える
- マリオネットライン周辺がもたつく
- 横顔で口元から顎までのラインが整って見えない
- 実年齢より老けた印象に見える
一方、ジョールファットが少なくても、皮膚のたるみや骨格によって同じような見た目になることがあります。
ジョールファットとバッカルファットは別物
ジョールファットと混同されやすいのが、バッカルファットです。
バッカルファットは頬の深い位置に存在する脂肪で、ジョールファットとは解剖学的に異なる脂肪組織です。位置も異なります。
| 項目 | ジョールファット | バッカルファット | メーラーファット |
|---|---|---|---|
| 主な位置 | 口角横〜下顎のフェイスライン | 頬の深い位置 | 頬骨付近〜ほうれい線上部 |
| 目立つ場所 | 口横・口角下 | 頬下部 | 頬骨周辺 |
| 多いと目立つ悩み | 口横のもたつき・マリオネットライン・輪郭のぼやけ | 頬のふくらみ・丸顔 | 頬の重さ・ほうれい線周辺のもたつき |
| 脂肪の深さ | 比較的浅い | 深い | 比較的浅い |
| 主な治療 | ジョールファット除去・脂肪吸引など | バッカルファット除去 | メーラーファット除去など |
「頬が丸いからバッカルファット」「口横が重いからジョールファット」と単純に判断するのではなく、どの脂肪が原因なのかを診察することが重要です。
ジョールファットが増えるとどうなる?
口角横のもたつきが強くなる
ジョールファットが多くなると、まず目立ちやすいのが口角の外側から下にかけての膨らみです。
若い方でも脂肪量や骨格によって目立つことがありますが、年齢とともに皮膚や支持組織が変化すると、さらに下方へ重く見えやすくなります。
笑っていない状態でも口横が膨らんでいる場合や、顔を正面から見たときに口角横だけ輪郭から張り出して見える場合は、ジョールファットが関係している可能性があります。
マリオネットラインが目立ちやすくなる
マリオネットラインとは、口角から顎方向へ伸びる溝や影のことです。
ジョールファットが増えたり下方へ移動したりすると、その周辺に高低差が生まれ、マリオネットラインが強調されることがあります。
ただし、マリオネットラインはジョールファットだけで生じるものではありません。
- 皮膚のたるみ
- 口元を支える組織の変化
- 下顎の骨格
- 顎の後退
- 周囲の脂肪量の変化
- 加齢による顔全体のボリューム変化
なども関係します。そのため、ジョールファットを除去しただけでマリオネットラインが完全になくなるとは限りません。
フェイスラインが四角く見える
ジョールファットが下顎の輪郭より外側へ張り出すと、本来のフェイスラインが隠れます。
特に正面から見た場合、頬→口元→顎へ向かって滑らかに細くなるはずのラインが途中で膨らむため、下顔面が四角く見えやすくなります。
「体重はそれほど増えていないのに顔が大きく見える」「昔より輪郭が四角くなった」という方では、単純な体脂肪の増加ではなく、ジョール周辺の脂肪やたるみが関係していることがあります。
老けて見える原因になる
ジョールが形成されること自体が、下顔面の加齢変化を構成する代表的な特徴の一つです。
下顔面の加齢は脂肪だけでなく、皮膚、脂肪区画、支持組織、骨格などが同時に変化して起こります。特にジョールの一部では加齢に伴う厚みの増加が報告されています。
そのため、「年齢とともにジョールファットそのものが単純に増える」というより、脂肪量の変化と下垂が重なり、ジョールが目立つようになると理解するほうが正確です。
なぜジョールファットは増える・目立つようになる?
体重増加によって脂肪が厚くなる
体脂肪が増えると、顔の皮下脂肪も厚くなることがあります。特に、
- 頬全体が丸くなった
- 顎下にも脂肪が増えた
- 体重増加と同時に口横も膨らんだ
という場合は、全身的な脂肪増加の影響が考えられます。
一方で、部分痩せによってジョールファットだけを狙って減らすことはできません。減量によって顔全体の脂肪は減っても、ジョール周辺のもたつきだけが残ることもあります。
加齢によって脂肪の位置が変化する
顔の脂肪は加齢によって均等に減るわけではありません。
ある部分は薄くなり、別の部分は厚みを増し、さらに脂肪区画そのものが下方へ移動することで顔の印象が変化します。
このような変化によって、
- 上側の頬は痩せる
- 下側の口元にはボリュームが集まる
- フェイスラインが下がる
という状態が起こり、実際の脂肪量以上に「ジョールファットが増えた」と感じやすくなります。
皮膚や支持組織のゆるみ
顔の組織は、皮膚や靱帯、筋膜などによって一定の位置に支えられています。
加齢によって皮膚の弾力が低下し、脂肪を支える組織にも変化が起こると、軟部組織が下方へ移動しやすくなります。ジョールの形成には下顎周辺の支持構造も関係しており、単純な脂肪量だけでは説明できません。
骨格によって若い年代でも目立つ
ジョールファットは40代、50代だけの悩みではありません。20代や30代でも、
- 顎が小さい
- 下顎が後退している
- もともと下顔面に脂肪が多い
- 頬から口横にボリュームが集中している
といった骨格・脂肪分布によって目立つことがあります。
若いからジョールファットではない、年齢が高いからすべてたるみという判断はできません。
ジョールファットは自力でなくせる?
ダイエットで改善するのは体脂肪が多い場合
全身の体脂肪が多い方では、食事管理や運動による減量で顔の脂肪量も減少する可能性があります。
ただし、特定の脂肪だけを選択して落とすことはできません。「体は痩せたのに口横だけ残る」「標準体重なのにジョールが目立つ」という場合は、さらに体重を落としても希望する輪郭にならないことがあります。
マッサージで脂肪細胞そのものを減らすことはできない
顔のマッサージによってむくみが軽減し、一時的にすっきり見えることはあります。
しかし、マッサージによってジョールファットの脂肪細胞そのものをなくすことはできません。強く押す、つまむ、長時間こするといったセルフケアは、皮膚への刺激につながるため避けましょう。
ジョールファットを改善する美容医療
ジョール周辺の改善方法は「脂肪を減らす治療」と「たるみを改善する治療」で異なります。
ジョールファット除去・脂肪吸引
脂肪量そのものが多い方では、ジョールファット除去や脂肪吸引が選択肢になります。脂肪細胞を物理的に減らすため、
- 口角横の膨らみを減らす
- 下顔面を軽く見せる
- フェイスラインを整える
- マリオネットライン周辺のもたつきを減らす
といった変化を目指します。
ただし、顔の脂肪は若々しい輪郭を維持する役割もあります。取り過ぎると頬こけや不自然なへこみにつながるため、「何cc取ったか」よりも「どこをどの程度残したか」が重要です。
脂肪溶解注射
脂肪量が少なく、大きな変化を求めない場合には脂肪溶解注射も選択肢です。
切開を伴わない一方、脂肪吸引と比較すると1回で得られる変化は穏やかで、希望する変化によっては複数回の治療が必要になります。
HIFU・高周波などの引き締め治療
脂肪より皮膚のたるみが主な原因であれば、引き締め治療が適しています。
HIFUや高周波治療は、脂肪を大量に除去する治療ではありません。皮膚や深部組織の引き締めを目的として使用します。「ジョールファットを取りたい」と思っていても、実際には脂肪を減らすより引き締めを優先したほうが自然になることがあります。
糸リフト・フェイスリフト
下垂した組織そのものを引き上げる必要がある場合は、糸リフトやフェイスリフトが治療候補です。
特に皮膚の余りが強い方では、脂肪だけを減らすと余った皮膚が目立つ可能性があります。
ジョールファットの治療方法を比較
| 項目 | ジョールファット除去・脂肪吸引 | 脂肪溶解注射 | HIFU・高周波 | 糸リフト |
|---|---|---|---|---|
| 主な目的 | 脂肪を直接減らす | 脂肪減少を促す | 組織を引き締める | 下垂した組織を引き上げる |
| 向いている原因 | 脂肪量が多い | 軽度の脂肪 | 軽度のたるみ | たるみ・下垂 |
| 変化 | 比較的大きい | 穏やか | 引き締め中心 | リフトアップ中心 |
| 治療回数 | 基本的に1回 | 複数回になることがある | 定期的な治療が必要 | 状態に応じて再治療 |
| 主なダウンタイム | 腫れ・内出血・拘縮 | 腫れ・痛み・赤み | 赤み・熱感など | 腫れ・むくみ・つっぱり |
| 注意点 | 取り過ぎによるこけ・凹凸 | 大きな変化には限界 | 脂肪量が多い場合は限界 | 脂肪自体は減らない |
ジョールファット除去のダウンタイムとリスク
腫れ・内出血は1〜2週間が目安
顔の脂肪吸引では、腫れや内出血が1〜2週間程度みられることがあります。拘縮と呼ばれる硬さやつっぱり感は1〜3ヶ月程度続くことがあり、完成は3〜6ヶ月程度を目安に考えます。
術後すぐに完成するわけではありません。特に初期は、
- むくみ
- 左右差
- 硬さ
- 触ったときの違和感
- 一時的な凹凸
を感じることがあります。経過とともに落ち着いていくため、完成前の状態だけで仕上がりを判断しないことが重要です。
ジョールファット除去で起こり得るリスク
主なリスクには以下があります。
- 腫れ
- むくみ
- 内出血
- 痛み
- 拘縮
- 左右差
- 凹凸
- 感覚の違和感
- 血腫
- 感染
- 脂肪の取り過ぎによるこけ感
術後は圧迫や医師の指示を守る
脂肪吸引後は施術範囲や状態に応じて圧迫を行います。術後は、
- 指定された時間・期間の圧迫を守る
- 強く揉まない
- 飲酒や激しい運動は医師の指示まで控える
- 腫れが強い時期に自己流のマッサージをしない
- 強い痛みや急激な腫れがある場合は早めに相談する
ことが重要です。
施術後の硬さや左右差が気になる時期でも、自己判断で強くマッサージするのではなく、診察で状態を確認してください。
ジョールファット除去のメリット・デメリット
メリット
ジョールファットが原因である場合、適切に除去することで次の変化を期待できます。
- 口角横のもたつきを減らせる
- 下顔面を軽く見せられる
- 正面から見た輪郭をすっきりさせやすい
- 脂肪細胞そのものを減らせる
- 体重が安定していれば長期的な変化を期待できる
デメリット
一方、ジョールファット除去には注意点があります。
- ダウンタイムがある
- 取り過ぎると老けて見える
- 左右差や凹凸が生じるリスクがある
- 皮膚のたるみ自体は除去できない
- 骨格が原因の場合は変化が限定的
- 完成まで数ヶ月必要
「脂肪は少ないほど小顔になる」という考え方は正しくありません。顔では脂肪を残す場所もデザインの一部です。
ジョールファット除去が向いている人・向いていない人
向いている人
- 口角横に明確な脂肪の膨らみがある
- 下顔面だけが重く見える
- ダイエットしても口横の脂肪が残る
- 若い年代で皮膚のたるみが少ない
- ジョールファットによってフェイスラインがぼやけている
- 脂肪量を直接減らしたい
向いていない人
- 頬がすでにこけている
- 口横の脂肪が少ない
- 皮膚のたるみが主な原因
- 顎が小さい・後退していることが主な原因
- ダウンタイムを確保できない
適応は写真だけでは正確に判断できません。実際に皮膚や脂肪を触診し、骨格や表情まで確認して施術を決める必要があります。
恵聖会クリニックがジョールファット治療で選ばれる理由とポリシー
脂肪吸引4,760件の症例実績
恵聖会クリニックでは、顔・身体を含む脂肪吸引の症例実績が4,760件あります。※2025年12月31日時点。
顔の脂肪吸引では、脂肪を多く取ることが目的ではありません。当院では、
- 頬の脂肪量
- ジョールファットの位置
- 顎下の脂肪
- 皮膚のたるみ
- 頬こけの有無
- 顎の骨格
- 正面・斜め・横顔のバランス
を確認し、「取る脂肪」と「残す脂肪」を判断します。
2000年開院・2026年で開院27年目
恵聖会クリニックは2000年に開院し、2026年で開院27年目を迎えました。
開院から間もなく30年となる歴史の中で、さまざまな年齢・骨格・脂肪量・たるみの患者様を診察してきました。ジョールファットの治療でも、単に流行している施術を行うのではなく、長期的な輪郭の変化まで考えて治療方法を判断します。
患者様お一人おひとりに合った施術を提案
同じ「口元のもたつき」でも原因は異なります。ジョールファット除去が適している方もいれば、
- 頬・顎下の脂肪吸引
- 脂肪溶解注射
- HIFU・高周波治療
- 糸リフト
- フェイスリフト
などが適している方もいます。当院では特定の施術ありきではなく、診察によって必要な治療を判断します。
アップセルや強引な勧誘を行わない
恵聖会クリニックでは、「高度な美容医療を適正価格でご提供する」という方針を大切にしています。
ホームページに記載のない高額な施術料金を突然提示したり、必要性の低い治療を無理に追加したりすることはありません。施術内容、料金、リスク、ダウンタイムをご説明し、患者様に納得いただいたうえで治療を行います。
ご紹介で来院される患者様が多い
当院には、毎月多くの方がご家族やご友人からのご紹介で来院されています。
「全ての方にご満足いただける施術を提供し続ける」という姿勢を大切にし、一人ひとりの診察から施術後まで丁寧に対応することが、ご紹介につながっていると考えています。
徹底したアフターフォロー
脂肪吸引やジョールファット除去は、施術を受けた時点で終了ではありません。
術後は腫れ、むくみ、拘縮、左右差などに不安を感じやすい時期があります。恵聖会クリニックでは術後の状態を確認し、必要なケアや生活上の注意点をご説明します。術後の無料検診を含むサポート体制も整えています。
「大阪公立大学 大学院医学研究科 形成外科学教室」と連携
恵聖会クリニックは、「大阪公立大学 大学院医学研究科 形成外科学教室」と連携している美容外科・美容整形クリニックです。
保険診療における形成外科治療領域の技術的向上を目指して連携し、美容医療においても安全性と専門性を重視しています。
よくある質問|ジョールファットが増えるとどうなる?
Q1. ジョールファットが増えると顔はどう見えますか?
口角横が膨らみ、フェイスラインがぼやけて下顔面が重く見えます。マリオネットラインや口元のもたつきも目立ちやすくなります。
Q2. ジョールファットは年齢とともに増えますか?
単純に脂肪量だけが増えるわけではありません。加齢による脂肪区画の厚みの変化、下垂、皮膚や支持組織の変化が重なって目立つようになります。
Q3. ジョールファットとバッカルファットは同じですか?
同じではありません。ジョールファットは口角横から下顎付近の比較的浅い脂肪、バッカルファットは頬の深部にある脂肪です。
Q4. ジョールファットはダイエットでなくなりますか?
全身の体脂肪が多い方は減量で目立ちにくくなる可能性があります。ただし、ジョールファットだけを狙って減らすことはできません。
Q5. マッサージでジョールファットはなくなりますか?
なくなりません。マッサージで一時的なむくみが軽減することはありますが、脂肪細胞そのものを除去することはできません。
Q6. ジョールファットを取るとマリオネットラインは消えますか?
ジョールファットが主な原因であれば目立ちにくくなる可能性があります。ただし、皮膚のたるみや骨格が原因の場合は、除去だけでは十分に改善しません。
Q7. ジョールファットは取らないほうがいい人もいますか?
いらっしゃいます。頬がすでにこけている方、脂肪量が少ない方、皮膚のたるみが主な方は、除去しないほうが自然な仕上がりになることがあります。
Q8. ジョールファット除去のダウンタイムは何日ですか?
腫れ・内出血は1〜2週間程度が目安です。拘縮や硬さは1〜3ヶ月程度続くことがあり、完成は3〜6ヶ月程度を目安に考えます。
Q9. ジョールファットを取れば小顔になりますか?
ジョールファットが輪郭を大きく見せている方では小顔効果を期待できます。ただし、骨格や咬筋、顎下脂肪が原因の場合は、ジョールファット除去だけでは十分な変化が出ません。
まとめ|ジョールファットが増えると口元のもたつきやフェイスラインのぼやけが目立つ
ジョールファットが増えたり下垂したりすると、口角横の膨らみ、マリオネットライン、フェイスラインのぼやけ、下顔面の重い印象につながります。
ただし、ジョールが目立つ原因は脂肪だけではありません。
- ジョールファットの量
- 加齢による脂肪の位置変化
- 皮膚のたるみ
- 支持組織の変化
- 顎の骨格
- 頬や顎下の脂肪量
を総合的に判断する必要があります。
脂肪吸引について詳しく見る
監修医情報
- 医師名
- 田川 大地
- 略歴
-
2009年 長崎大学医学部卒業
卒業後、市民病院で初期研修を修了したのち、水の森美容クリニックに入職、美容外科医となり大阪院を開設。
8年以上院長として従事し、幅広い施術を習得、美容外科診療の実績を積む。
2020年 恵聖会クリニック入職
- 所属学会
- 日本美容外科学会(JSAS)
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