ドクター・スタッフブログ
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あなたは二重幅を何故決められないのか
わたしはずっと、この一重瞼がコンプレックスだった。
子供の頃は辛かった。
小学生なんて残酷なもので、ひとの容姿をあれやこれやの言葉で直截に攻撃してくる。高校に上がれば、流石にそんな言葉の暴力を受けることは少なくなったけれども、出会う人の誰もかれもがわたしの目に注目している様な気がして仕方がなかった。そんなのは気にしすぎだと、頭では分かっているんだけれども、そう思ってしまうのは止められない。
二重瞼の方が綺麗だなんて一体誰が決めたんだ、と思うこともあるが、雑誌やテレビで綺麗な女優やアイドルを見るたびに、そんな考えは打ち砕かれてしまう。
そういうわけで、二重になるって決めて、わたしは今手術室のベットに座っている。医師が瞼に棒をあてて、これから作る二重の線をシミュレーションしている。ジャズのBGMが流れているけど、緊張と不安のおかげで、聞いてる余裕は全然ない。「これ位でいいですかー」なんて聞かれてるけど、よくわからない。

今どのあたりを押さえられてるんだろう。テープで二重を作るときはいつもどの辺にしてたっけ。押さえられてる位置を確かめたくて(1)額に力を入れて目を見開いてみた。
なんか広すぎる気もするし、これ位の様な気もする。医師が言うには、テープで皮膚だけを接着するのよりもしっかりした二重になるから、同じ幅でも印象が異なるんだそうだ。そうはいっても実際に押さえられてる位置は気になるわけで(2)顎を上げたり下げたりし、幅を確かめてみる。
それでもやはり決められない。なりたい自分のイメージはなんとなく付いているはずなのに、全然決心がつかない。気づいたらわたしは鏡の中の自分を(3)睨み付けていた。
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架空の患者さんの立場から、その心境を書いてみましたが、如何でしょうか。
これ位の幅にする、と来院前に考えていたにも拘らず、そしてその決心は固かった筈であるのに、手術直前でデザインがなかなか決まらない方がしばしばいらっしゃいます。理由は色々考えられますが、いくつか挙げれば、下線部の様なことをすると、シミュレーションで押さえている位置は変らないにも拘らず、二重の幅が変って見え、それが故にいつまでもデザインを決められないという事態に陥ります。
以下解説します。
下線部(1): 「額に力を入れて目を見開いて」とありますが、これをすると二重の幅が広がって見えます。この状態で幅を決めると、思っていたよりも狭い重瞼幅になることがあります。
下線部(2): 「顎を上げたり下げたり」するとそれに応じて二重幅が変わって見えますが、それ以前に重瞼棒やブジーが外れやすくなります。仕切り直すことになります。
下線部(3): 目に力を入れて「睨む」と、二重幅が狭く見えます。この状態で幅を決めると、思っていたよりも広く仕上がることがあります。
これから重瞼術を受けようと考えられている方は、出来るだけこのことを意識されますと、シミュレーションでの迷いが少なくなると思います。
御参考になれば幸いです。

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